since 2007.08.27
up-date 2010.08.07
K-Chuが作った3Dデータを展示するための場です。
人外娘(特にスライム娘)好きの人大歓迎。
このHPは1024*768以上の画面サイズを想定して作成しています。
それ以下のサイズの方は見づらいかもしれません。
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更新履歴
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2010.08.07
pixivにて
pixivに過去の学祭にて展示した作品を一斉に載せたので転載.
2010.07.21
久しぶりに更新.
Twitterの方でお世話になっているネコヤマキナさんに私のイラストのSSを書いてもらったので公開.
イラスト自体は結構前に作ったものなのだけど,こちらのページには公開していなかったので,まぁ,二つの意味で.
マキナさんのSSを私があまりにも気に入ってしまったので,SS目当てにイラストを描くことが増えるかもしれない.
増えないかもしれない.
「スライム娘、本を読もうとする。」
うだるような夏の日、文明の利器をフル活動させないと生きられないわけでもないが、死ぬ可能性が出てくるような暑さを誇る一日。
「ん〜♪」
何も死ぬのは人間だけではなく、人間以外の者も命がある以上死ぬ可能性はあるわけだが、特にそれが高いと思われる種族がいる。少なくとも今、木製の机の上に。
「ひやひや〜♪」
スライム娘、という種族をご存じだろうか。コアを中心として人体、それも女性の体を弾力性のある液体や粘体で象る種族である。
体のほぼ九割九分が水分で構成されている彼女らは、当然乾燥や多量の熱に弱い。魔力のある個体は局地的に最適環境に出来る魔術を行使出来るが、全てが全てそんな御都合主義スライムではない。大概のスライム娘は等しく夏の暑さに苦しむわけである。鉄板やコンクリートのような、人ですら火傷する代物に踏み入れたが最後、待つのは身体消滅だ。
対策としては、防水性の服を纏うことなど色々ある。色々あるのだが……。
「はふー♪」
この机の上の個体のようにヤドカリの如く貝殻に自らの体を入れる例はあまり見られない。というか何故入れたし。恐らく彼女の飼い主と思われる人物が分け与えたのがそれだったのかもしれないが。機能性しか考えてないんじゃないだろうかその飼い主。そしてナンセンスの塊を受け入れる彼女の頭も、少々心配すべき領域にあるのかもしれない。
「はわー♪」
……いや、考え直そう。クーラーや小型扇風機の風に幸せそうに涼む、現在手の平サイズのヤドカリスライムというものも、中々乙なものであると。飼い主侮り難し。願わくばその癒しをが万物にも理解されることを。
閑話休題。
彼女の飼い主と思われる人物は、読みかけの本と飲みかけのコーヒーを机の上に放置しつつお手洗いに向かったようだ。つまりこの書斎に居るのは、スライム娘ただ一人らしい。
そのスライム娘はクーラーの利いた快適な空間の中でややうとうとと微睡みつつ、時折飼い主に撫でられる度に「きゅー♪」と声を漏らしていたわけだが、飼い主が部屋を出るそのドアの音で目が覚めたらしい。
「んー?あー」
体を文字通り伸ばしつつ、欠伸とおぼしき物をするスライム娘。身体器官的にしても何も変わらないとは思うのだが、多分気分だろう。そのまま辺りを見回しつつ……自分の目の前に何か紙が何枚も重なっているものを見つけた。
「本だ♪」
本、それは面白いもの。教習所通いで彼女が覚えたことだ。彼女達の種族は吸収を好む。それは知識とて例外ではない。きっとこの本も面白いものだろう。そう考えて彼女は「よいしょ」と本のページの上に上半身をよじ登らせて読もうとするが……。
「……あれれ?」
自分の見知らぬ文字、それがびっしりと書き刻まれている。当然、読めない。
「むー」
開いていたページに手を差し込みつつ、別のページを開いて眺めるが、読める文字が一つとしてなかった。
「むむむ……」
元のページに戻しつつ、考え込むスライム娘。と、書かれている文字が、何やら普段眺めている文字に似ている気がする。もしや……と、彼女は本のタイトルを確認しようと本を持ち上げようとする。
「んん〜っ!」
だがそこは非力な小さなスライム娘。両手を本の背に沿えつつ持ち上げるも、中々上がらない。精々胸辺りだ。
「ンンンーーッ!」
さらに力を入れて持ち上げつつ、本の背に書いてある文字を目にするスライム娘。彼女の予想通り、背に書いてあるタイトルは、彼女の見知った文字だった。つまり、このわけの分からない文字は全て、逆向きから見ていたからで――!?
「わわ――はぷっ!」
腕力が本の重みに耐えられなかったのか、バタン、と本が倒れ、スライム娘を押しつぶした!本の端からはみ出した粘体がパタパタと震えている。どうやら突然何が起こったか判らずパニックに陥ったらしい。或いは本に挟まって、動けなくなったか。
「ん〜っ!ん〜っ!」
じたばたともがくスライム娘。痛覚の有無は判らないが、わりと痛いらしく、びくんびくん跳ねている。ヤドカリのような殻が本の角にガンガンぶつけられているのが何とも荒々しい。机はがっしりしているのか揺れず、故にコーヒーがこぼれる気配はなかった。
「んんーっ……ん」
お、じたばた暴れるうちに何か掴んだらしい。動きが徐々に収まっていくのと同時に、本の表紙がずり、ずりりっ、と得体の知れない音を立てている。気付けば、幽かに本ののどが盛り上がっており、それが反対側に動いていくのが見えただろう。そして……。
「――ぷは」
……反対側の本の背から、液体と固体の中間と表現できる顔がぽん、と飛び出した。幽かに涙目である。やはり痛かったらしい。
「んーっ」
そのまま机の端へと手を伸ばし、体を引き抜きにかかるスライム娘。ずり、ずりりと音を立てる本。表紙はどうなっているか心配だ。だがそれ以上に心配であるのは、力を入れているにも関わらず、体は外に出る気配はない。
「んんーっ!んんんーっ!」
さらに力を入れて、体を引きずり出そうとするスライム娘。その努力あってか、本の端が、幽かに浮き上がり始めた。もうすぐでいける!そう本能で感じた彼女は――両腕に一気に力を込めて、体を引いた――!?
ここで確認しておきたいことがある。彼女は、ヤドカリのような貝殻の中に体を入れて生活していた。その貝殻が、本の端に引っかかったまま、彼女は全身を引き寄せようとした。結果――。
「――ふぇ!?きゃああああああ!」
……彼女の体は、本ごと机の下に落下したのだった。
「きゅ〜〜……」
お手洗いより帰還した飼い主が見たものは、彼の椅子の上で、開かれた本のページの上で目を回している、小さなスライム娘の姿であった。
fin.

